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2022.11.14
相続全般
遺言書保管制度とは
平成30年7月、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が成立し、自筆証書遺言書(※遺言者が全文を自書した上、日付を記して署名押印した遺言書)を法務局で保管する制度が新たに創設されました。
この保管制度により、遺言書の紛失や、他人による遺言書の廃棄、隠匿、改ざん、あるいは相続人が遺言書の存在に気付かないまま相続手続きを進めてしまうなどのリスクの低減が見込まれます。
また、自筆証書遺言は家庭裁判所による「検認(けんにん)」を経なければ、その遺言書に基づく相続手続きを行うことができませんが、遺言書保管制度に基づいて保管された自筆証書遺言書については、検認手続きを経る必要がありません。
検認とは、相続人に対して遺言書の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状・加除訂正の状態・日付・署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして、遺言書が発見されたままの状態を確認することで、後日偽造されたりしないようにする証拠保全手続きです。遺言書の内容についての有効・無効を判断する手続ではありませんが、申立人は検認当日に裁判所に出頭する必要があります。
このようにメリットの多い遺言書保管制度ですが、法務局においては
①遺言書が自筆証書遺言の方式に適合しているか否かについて外形的な確認(所定の様式に合うかどうか)
②遺言書の作成名義人と保管申請を行う者との同一性の確認
上記①、②については確認を行いますが、遺言書の記載内容が法的に有効であるかどうかのチェックは行いません。遺言書の内容に不備があったり、遺産の分け方に問題があるケースなどについては、助言をもらうことはできないのです。
問題のない遺言書を作成することは、実はそれほど簡単なものではありません。私の経験にはなりますが、依頼者の方が持参された自筆証書遺言での相続手続きにおいて、なんの問題もなくスムーズに手続きが終わったことは記憶にありません。
”相続” を ”争族”にしないためにも「そろそろ遺言書を書こうかな。」と、お考えになられた際は、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
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