newsお知らせ

2022.12.26

相続全般

相続財産の調査方法 -不動産 第1回-

相続手続きの中で、相続人の確定の次に行う必要があるのが相続財産の確定作業です。今回は不動産についての調査方法をお伝えしようと思いますが、長くなりそうなので複数回に分けて解説していきます。まず私の事務所で行っている不動産の調査方法は大きく3つの方法に分けられます。

 

① 固定資産税・都市計画税納税通知書や、名寄帳などの課税関係書類からの調査方法

② 権利証、登記事項証明書、公図などの権利関係書類からの調査方法

③ 売買契約書、贈与契約書、合意書、覚書などの契約関係書類からの調査方法

 

今回は、上記①の課税関係書類からの調査方法について

原則として、毎年1月1日時点で登記記録に記載されている不動産の所有者に対して、その不動産の所在地の市区町村役場から固定資産税・都市計画税が課税され、その年の4月から5月頃に所有者宛に固定資産税・都市計画税の「納税通知書」が送付されます。

この「納税通知書」には、その市区町村内に保有している不動産の所在・地番・地目・地積・家屋番号などの明細が記載されているため、相続財産の把握に有効です。

注意が必要なのは、この納税通知書に反映されない不動産について、相続財産から漏れないようにどのように調査するかです。

納税通知書に記載されない典型例は次のような場合です。

 

① 1月1日以降に権利を取得した場合または処分した場合

納税通知書は「1月1日時点」を基準として、不動産登記記録上の所有者宛に送付されるものですので、それ以降に所有権を取得または処分したなどの所有権の変動は反映されません。

② 所有している不動産が非課税不動産の場合

固定資産税・都市計画税がそもそも課せられない不動産の場合は納税通知書には記載されません。もっとも相続登記漏れが発生しやすいのがこのパターンであり、不動産の中に私道部分の土地(公衆用道路)がある場合は注意が必要です。

③ 借地権や地上権、仮登記所有権の場合

固定資産税・都市計画税は「所有者」に対して課税されるものですから、借地権者や地上権者には納税通知書は送付されません。また、仮登記も順位を保全するだけの”仮”の登記ですので、本登記をするまでは納税義務者は正式な所有者のままであり仮登記権利者には納税通知書は送付されません。

 

【名寄帳の取得】

名寄帳(なよせちょう)とは、納税義務者が所有している不動産の一覧表のことであり、不動産の所在地の市区町村役場で取得することが出来ます。各市区町村では、非課税不動産を含めて納税義務者が所有しているすべての不動産を把握しており、名寄帳を取得することによってこれらすべてを確認することが出来ます。

しかし、一部の市区町村では公衆用道路とされた土地や課税されない不動産が名寄帳に記載されないなど、名寄帳の作成方法は各市区町村により異なる場合がありますので、事前に担当課へ確認することをおすすめします。

ただし、名寄帳に記載されている不動産は、当該市区町村内にある不動産に限られることに注意が必要です。

一覧に戻る

contactお問い合わせ

初回は相談無料です。

オンライン相談も可能ですのでお気軽にお問い合わせください。

※事前にご予約いただければ休日対応可能です。